長時間の座り作業は健康リスクがあります。
そこで高性能オフィスチェアや多機能ワーキングチェアといった良い椅子を求める人が増えています。
椅子は数多く存在するのでどれを選べばいいか悩むところですが、そんな椅子選びの中でよくある誤解というものに回答します。
椅子選びの参考にしてください。
高額な椅子/高性能な椅子に座れば健康になる!腰痛が治る!
A.健康になりませんし腰は治りません
根本的に壊れた身体を回復させるような椅子はありません。
座るだけで身体が治るようならそれは魔法です。
高額な椅子/高性能な椅子に座れば身体を壊さない!
A.どんな椅子に座っても身体を壊すことはあります
どんな機能が付いていても、どれだけ椅子が稼可動したとしても、身体を壊さないという確証は得られません。
良い椅子に座れば肩こりが治る!
A.椅子に座るだけで肩こりは治りません
肩こりは椅子だけの原因で起こる身体の不調ではありませんので、椅子を変えるだけで治るということはありません。
良い椅子に座れば疲れない!
A.どんな椅子でも長時間座って作業をしていたら疲れます
椅子が出来ることは疲れづらくするような工夫です。
遅かれ早かれ疲れます。
椅子の性能と価格は比例するから高額な椅子ほど効果が高い!
A.値段と性能は比例しません
高いオフィスチェアであればあるほど身体に良いということはありません。
400万円のオフィスチェアがありますけどデザイン料です。
座った時に楽(らく)だと感じる椅子が良い椅子だ!
A.自分が楽かどうか、座って気持ち良いかどうかだけで判断をすると錯覚の可能性があります
人間は筋肉を使わなければ使わないほど楽だと感じる生物です。
その為、腹筋を全く使わない猫背を楽な姿勢だと錯覚してしまうため、猫背に座れる椅子を「楽で気持ちが良い椅子だ」と勘違いしてしまいます。
猫背は確実に背骨を傷めていきます。
良いオフィスチェアは人間の姿勢を維持してストレッチが出来るデザインです。楽ではないですけどね。

椅子に座れば仕事の効率が上がる!
A.ある意味〇
座っていて身体の痛みや不調ばかり気にするようでは仕事の進みも滞ります。
快適さを保ち続けられるのであれば、それだけ作業効率も上がります。
ウレタン製ホイールのキャスターは床にキズが付かない!
A.ウレタン製でも床にダメージはあります。
長期間使えばどんな素材のキャスターでも床へ負担はかかります。

じゃあどんな椅子を選べば良いの?
A.自分の身体を現状維持してくれる椅子、ストレッチや身体を動かせる椅子が良いです。
椅子が出来る最大のパフォーマンスは人間の身体の形を正しいものへ近づけて健康状態、現状を維持することです。
根本的に身体は回復しませんから、今の状態を悪くしないようにするのが理想です。
そして、人間は運動をすることで健康維持が出来る生物でもありますから、座った状態でストレッチが出来るような可動域を確保できるデザインが良いです。

もちろん大前提として自分の作業に合う椅子は必要です。
キーボードを打ち続けるのか、絵を描くのか、編集作業なのか、何が自分の作業の中心かです。

結局、健康になりたいのなら運動、筋トレ、食生活、etc.何もかもすることが重要です。
それプラス良い椅子です。
そうじゃないと、椅子に座るだけで姿勢が悪くなると、どんどん身体が悪くなり寿命も縮んでいく可能性があります。
人間はそもそも座って作業するように進化していませんからね。
最近わたしは、椅子選びや姿勢については「歯磨き」と同じだなと思っています。
歯磨きというのは、自分の歯の現状を保つためにする物です。
白い歯を保つために、虫歯にならないために歯磨きするものです。
虫歯になってから歯を磨いても治ることはありません。
初期虫歯なら歯磨きで現状維持はすることができるかもしれませんが、いずれは歯もダメになります。
もし歯磨きをしなかったら歯がダメになり抜歯することになります。
そうするとインプラントや入れ歯など高額だったり生活に支障が出ます。
ダメになってから歯磨きしても遅いです。
これは椅子選びと同じですね。
腰を壊してから椅子を買っても、もう腰は治りません。
それ以上腰を悪くならないような工夫はできるのですが、それでも着々と腰は壊れていきます。
いずれは腰が完全にダメになったときに背骨の手術が必要になることも。
身体の変形や故障は歩くことすらままならなくなります。
でも良い椅子に座ったからと言って身体を壊さないという保証はありません。
歯磨きだって磨き方や道具によっては虫歯になります。
だからこそ椅子だけでなく、座り方、姿勢、作業環境、ストレッチや運動など複合的に考えるべきです。
理想は健康な状態で姿勢を維持して健康状態を維持することですね。
手遅れということは無いので、気づいたときから作業姿勢は変えてみましょう。
ということで作業椅子選びの参考にしてください。

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