ネットオークション、フリマアプリ、リサイクルショップなどではヴィンテージ家具の取引もされています。
探していたヴィンテージ家具が安く売られていたら喜んで即購入したいところです。
しかし安いのは状態が悪いのか、何か問題があるのか気になってしまいますが、それより『そもそもその家具が本物か・・・?』という大きな問題があります。
異様に安かったりすると疑いますよね。
でもそれは正規品だとしても、製造国によって大きな市場価格の違いもあるんです。
家具の製造国が違えば価値も違う
私はネットオークションやフリマアプリの類はまったくやりませんが、ごく稀に何が販売されているか確認することがあります。
リサイクルショップは店頭には行きませんがネットショップを見ることがあります。
私が得意なミッドセンチュリー期の名作家具類だけでお話しますが、正規品じゃないのに正規品として販売しているケースはあまり見かけません。
さすがにリプロダクト品/ジェネリック家具を正規品と誤まって販売しているケースは稀です。(それでもある)
一口に正規品メーカーといっても、製造国で価値が大きく変わることがあります。
例えば私が得意なデザイナーとしてイームズ夫妻の家具、それからジョージ・ネルソンの家具がありますが、この二人のデザイナーの家具はヴィンテージ市場に米国製と日本製が存在します。
※ヨーロッパ製もありますが話が長くなるので割愛します。
基本的に米国製の方が市場価格が高く高額取引をされていす。
逆に日本製はすごく値段が下がります。
だから、同じイームズシェルチェアだとしても、日本製だと値段は米国製造品の何分の一になったりです。
ジョージ・ネルソンの家具なんかはモノによっては米国製に対して日本製は1/10未満になるほどです。
日本製と米国製の違いはそもそも作りが違いますので見ればわかります。
見ればわかるのですが、鑑定できる人はこの日本にそれほど多くはありません。
私もジョージ・ネルソンの家具は自信ないことがありますので・・・最近昔の資料を発見して日本製のカタログに全く見たことがないデザインが別注として載っていましたので・・・
謎の家具があるんですよね。
Knollの家具も複雑なことになっています。
この製造国問題ですが、ネットオークションやリサイクルショップの出品情報を見ると、どう見ても日本製のヴィンテージ家具なのに、米国製造の価格設定を出していることがあるんです。
悪質だなと思うのは、米国製造の市場価格より少し安く出品をして『市場価格より安いですよ!』みたいな感じで販売しているケースです。
これは、おそらく販売側が何かで”日本製がある”という知識だけは得たけど、出品する家具が米国製か日本製か判断がつかないため、米国製の市場価格より安く売っておけばクレームもないだろうという考えです。
が、日本製はそれよりもっと安い市場価格だったりします。
数字で例を出すと、米国市場相場が100万円のヴィンテージ家具を米国か日本製か判断つかないため70万円で出品するんです。
そうして『貴重品だけど安いよ!』として誰かが購入するのですが、日本製だったら相場が10万円ぐらいのものなんです。
で、実際に私が見る限りのケースではどう見ても日本製なんですよ。
ボッタくられています。
購入者はわからないでしょうけどね、それに販売側も日本製かどうかなんて知らないので知ったこっちゃないです。
ここで私がそうした業者に指摘をしないのかという話が出るかもしれませんが、もし私がその事例に『それは日本製だから騙されていますよ』と言おうものなら、業者側は『なら証拠を出してもらおうか!日本製はどう見分けるんだ!』と言って来るだけですから、むざむざこちらの知識や情報を渡すだけとなり、以後、業者は得た知識で自分たちの仕事が得するだけです。
それに、日本製だと知っても米国製と偽って売り続けるでしょうしね。
価値がわからない時は、説明を鵜呑みにせず鑑定が出来るぐらいの知識を持った人と相談するのが良いです。
そんな人がいないという問題はありますけど。
ということで、ヴィンテージ家具を買う場合は製造国にも注意してくださいね。
相手が『○○製だ!』といってもすぐに信用しないほうが良いです。
ちなみに私はもう以前から電話やメール、来店で家具の価値を知りたいだけの問い合わせは断るようにしています。
以前こんなことがあったのでもう嫌な思いはしたくないです。
ちゃんと身元を明かして目的もきっちり教えてくれたり、それか仕事として依頼するならやりますけどね、それから、私のお客さんだったらもちろんOKです。
お客さんというのは、家具を私から買ってくれた人です。
お客さんだったら購入後のアフターフォローの一環として、いくらでも何でも相談に乗りますし協力します。
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