– Eames Plywood Coffee Table –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ & レイ・イームズ)
イームズプライウッドチェアと同時期に作られたイームズ夫妻最初の家具の一つです。
素材を活かしたミニマルな構成が見事なコーヒーテーブルです。
歴史とデザインの私見を書きます。
曲線が美しいテーブル
このテーブルは1945年にイームズ夫妻がニューヨークで催した展示会で発表したデザインが元になっています。
この時に後のイームズプライウッドチェアともなる椅子を発表しており、イームズ夫妻の家具が認知されるきっかけになっています。
また、この展示のおかげでハーマンミラー社とイームズ夫妻が関係を持つことになります。
そういったストーリーに関してはイームズプライウッドチェアのストーリーで書きましたのでご覧ください。
テーブルは展示会で発表したデザインと細部を変えて、椅子と同じくエヴァンスプロダクツ社にて製品として製造されました。
1946年よりハーマンミラー社から発売が開始され、ウッドレッグとメタルレッグの2種類の脚がラインナップされました。
エヴァンス社買収後はハーマンミラー社の製造品として1957年の製造終了まで販売が続けられています。
長らくこのテーブルが製造されていませんでしたが、1994年にハーマンミラー社が家庭市場へ向けて再参入するための「Herman Miller For The Home」の立ち上げに伴い正規復刻されることになります。
現在もハーマンミラー社により正規品の製造が続けられています。
イームズ夫妻デザインの定番コーヒーテーブルとしての地位を築いています。
天板の窪みはデザイン的なものではなく天板の強度を補強するためです。軽量化のために薄い天板を作るために試行錯誤をした結果としての工夫です。
その薄いプライウッド天板から伸びる4本の脚が美しい仕上がりです。
思惑通りさほど重くはなく、持ち運んで移動することも容易なコーヒーテーブルとなりました。
日本人的には一見するとちゃぶ台のようにも見えます。
イームズ夫妻は日本の家具要素を自身のデザインに取り入れることがあるのでそのように感じなくもないですが私は違うと思います。
このデザインはフィンランドの建築家アルヴァ・アアルトの影響が感じられます。
もともとイームズ夫妻はプライウッドを使った家具作りにアアルトの影響を受けており、このテーブルもアアルトの作品から近いものを感じます。
天板をここまで薄く仕上げたテーブルとしてはイームズのオリジナリティがあり、さらに有機的な脚やカーブはデザインをさらに昇華させた良い結果だと思います。
スタンダードな丸いコーヒーテーブルとしても人気があり、素材の特性をうまく生かしたデザインは間違いなく名作家具のポジションにいます。
ちなみにこのテーブルの製品名であるCTWはCenter Table Woodの略です。脚が木製のコーヒーテーブルの事を指します。
CTMはCenter Table Metalの略です。脚がスチール製のコーヒーテーブルの事を指します。
>>【Herman Miller正規販売店】イームズプライウッドコーヒーテーブル商品販売ページ
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