– DRAWING NO.12 –
デザイナー:Ron Gilad (ロン・ギラッド)
今年2018年に日本で新発売されたダネーゼからの新作ラインナップに、ダネーゼの新クリエイティブディレクターでもあるロン・ギラッドによる非常に美しいプロダクトが発売されました。デザイナーとしての実力がわかる逸品です。
「DRAWING No.12」はロン・ギラッドによるシルクスクリーンの印刷作品です。最初から額装をされており高級感もあります。
DRAWINGはNo毎にデザインが違い現在No.14まで発表されています。
画のモチーフはダネーゼの名作プロダクトが飾られた室内をドローイングしたポスターアートです。(どことなくミラノのダネーゼ本社内部に見えます)
これだけでも上質なアート作品ですが、その中で気になるのは描かれているように見える時計の針です。
これ実は本物の時計です。
単三電池式のムーブメントが裏側に装着されており時間経過とともに長身と短針が動きます。音のしないスイーブムーブメントのため、パッと見た瞬間では動いているかどうかも分かりません。
しばらく時間が経った後に時計を見直すと動いていることに気づきます。
その瞬間に奇妙さを感じつつ、この作品の真の魅力がわかるはずです。
このDRAWING No.12はアートでありながらも実用的な時計でもある双方の良さを融合した製品です。
私個人的な話ですが、最近見た中では非常に素晴らしいと感じたプロダクトがこれです。
いやもちろん他にも様々な素晴らしい製品があるという前提はありますけどね。
その中でもこのポスターは本当に一目見た瞬間から心を奪われました。
だからぜひ皆さんにも知ってもらいたい製品です。
これこそ本当に上等なデザインです。
そうそれで”製品”なんですよ。
アート作品とも言っていますが、正しくは商品であり製品です。
これはブルーノ・ムナーリが明言していますが、”アートは一点ものではなく、多くの人の手に渡るべきだ”との通りです。そのムナーリの思想が根付くダネーゼ的に考えると、このポスターはアートといっても差し支えないです。けど、プロダクトでもあるということです。
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