家具の販売は他の販売業とは大きく違う部分があります。
(他の販売業というのはアパレル、電気家電、車、etcなんでも)
家具やインテリアの販売にはコーディネートが必要とか、搬入の確認や内装を現地で見て提案するなども確かにある程度他の販売業とは違う部分がありますが、もっと大きく違う部分があります。
それは
同じデザインを販売し続ける
ということです。
家具は毎シーズンどころか毎年新型が発売されるといったようなことがほとんどありません。
同じデザインの家具をマイナーチェンジはすれど基本のデザインは変えずに販売を続けます。
それも数年どころではなく数十年間売り続けることもあります。
古い家具のデザインだったら100年以上販売しているメーカーの家具もあります。
家電や車や服だって新作が頻繁に発売され、その新作に注目が集まる人々は求めます。
買い替えするのだって普通ですよね。
ひと昔前の型落ち品はあまり求められなくなりますし販売も終了します。
家具はちょっと違います。古いデザインでも名作扱いされますし、むしろ新商品の家具は知名度がほとんど無いので知られていません。それよりも以前に目にした名作家具が憧れもあり選択されます。
新しく家具を作ってもいきなり大ヒットすることは稀で、むしろ10年以上販売してやっと知名度が出てきて、何だったら30年以上販売をしていてやっとヒットするなんてこともある業界です。
家電や車などは昔に比べて性能が上がっていくので買い替えがあるというのはわかります。
だから性能が上がる?ということが発揮しづらい家具では常に新作が求められないのが理由の一つかもしれません。
性能が関係するとなるとワークチェアですが、アーロンチェアのように完成されているデザインもありますからこれも常に新型が良い物になるのとは違うと思います。
最近だと昇降付きのデスクは技術の差を感じますけどね。
最新の昇降付きデスクはすごいですよ、スマホと連動したりしますからね。
だから他業界の小売店のように新作は定価で販売して、それから徐々に値下げされて安くなっていくなんてことがありません。
逆に家具は値上がりしていきます。
原材料や人件費の高騰や輸送コストの増加により年々価格が上がっていきます。
同じものを販売し続ける業界なので製品の価値を伝えて大切に販売をしていかないといけません。
だからセールする小売業と家具は相性が悪いはずなのですが・・・
ちなみに、私のように世間や流行り廃りにあまり興味が無い人には相性が良い業界でもあります。
それでも流れやカラーは把握しておく必要はありますので、家具やインテリアのトレンドに無関心というわけにはいきません。
それでも売れない家具は製造が終了します。
ある程度売れ続けることで息の長い家具になります。
せっかく良いデザインでも売れなかったら終わりなのでもったいないと感じます。
でも昔売れなかった家具が現在になって復刻してヒットすることもありますから時代が変わると評価も変わるものです。
プラスチック成型の椅子なんかは売れなかったらとんでもない赤字となります。相当の初期投資が要るのでそんじょそこらの会社では作れません。
その代りヒットしたら最高の利益を出してくれます。
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