2017年の5月まで東京国立近代美術館で珍しい展示が行われていたんですよ。
”Improvement for good”
Marcel Breuer’s Furniture
マルセル・ブロイヤーの家具2017.3.3 Fri. – 5.7 Sun.
The National Museum of Modern Art,
東京国立近代美術館HP http://www.momat.go.jp/am/exhibition/breuer_2017/#section1-1
終わった話なのですが、私は行けて良かったと思っています。ブロイヤーの家具のオリジナルを集めて実際に見ることなんてできるものじゃないですからね。
そんなブロイヤーの代表的な家具といえば「ワシリーチェア」でしょう。
超名作椅子の歴史を書きます。
スチールパイプの名作椅子
(http://www.momat.go.jp/am/exhibition/breuer_2017/#section1-1)
知っている人も多いですよね。この椅子です。
ワシリーラウンジチェア(Wassily Lounge Chair)が正式名称です。現在は米国Knoll社にて正規復刻製造販売されています。
名作椅子100選という催しがあったら余裕で入るぐらいの名作です。
知らない人のために説明をしますよ。
この椅子はマルセル・ブロイヤーによって1925年にデザインされました。
自転車のハンドルバーからヒントを得て、スチールパイプを曲げて家具を作れないかということから考えられました。
そして出来上がったこの椅子は、スチールパイプと張地のみで造られた世界初の構造だそうです。
バウハウスで親交のあった画家のワシリー・カンディスキーが非常に気に入ったとかなんかそんなことで彼の名前が後につけられました。それでワシリーチェア。
そんな椅子です。
デザインが1925年なのですが実際に製品として販売されるのは26年からみたいです。
最初にデザインされたのが1925年でバウハウス家具工房で造られました。
名前も「クラブチェアB3」という名前が本来のこの椅子の名称です。
1926年末にブロイヤー自身がスタンダード家具社を設立して製造販売をして、それからトーネット社が製造販売を引き継ぎます。
それからいつかは、そして深くはよくわからないのですが、イタリアのガビナ社がライセンスを得て製造販売をしていたらしいです。
現在のノル社での製造販売になったのは1968年ですかね。
そのガヴィナ社を買収したからのようで、そこから現在に至るまでワシリーチェアはノル社のものです。
そのトーネット以前にクラブチェアB3はいくつかバリエーションが存在しますので、細かい差異を比べてみると発見があって面白いですよ。
名作椅子の裏側には複雑なストーリーがあるものです。
見た目も美しいので一つは自宅に置いておきたいですね。
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