いま、みなさんのボビーワゴンのイメージはどんな感じですか?
おそらくなのですが、”カジュアル”とか”ライトな家庭用収納家具”なイメージなんじゃないかと思います。キッチンでもどこでも使える便利家具みたいな。
しかし以前まではまったく印象もイメージも違うものでした。
そういった日本でのボビーワゴンのストーリーを書きました。
ここまでボビーワゴンのイメージが変わったのはすごいですね。
何が変わったのか何がすごいかちょっと話します。
まだ私がこの業界に入った十数年前だと、ボビーワゴンはデザイナーの名前が載っている名作家具的な立ち位置だったと記憶しています。名作家具の本に掲載されているようなポジションでしたから、家具好きやデザイン好きが知っているような存在した。
イタリアの名作収納家具というカテゴリーでしたでしょうか。ジョエ・コロンボの名作!てな感じです。
だからそのボビーワゴンを使う人は、ある程度家具インテリアに興味を持っている人向けという感じでした。合わせる家具もイタリアのデザインだったり、アメリカンミッドセンチュリー期の家具だったりと様々です。
年代的にスペースエイジでもあるので、最も手軽に手に入るアートピースといった立ち位置もありました。
でもいまは、「ボビーワゴン」はその名前とビジュアルで流通しているじゃないですか。
デザイナーを知らない人が増えているんじゃないかと。デザイナーとか関係なく便利な収納プラスチック家具という認識です。
それに、ボビーワゴンと合わせる家具が以前に比べるとわりとなんでもOK的なスタンスですけど、どちらかというと家庭的なインテリアに合わせるアイテムになりましたかね。
さらに遡って18年以上前の話です。
ここからは私が体験していないことなので当時を経験した人の話なんですけど、ボビーワゴンは国内のとある事務機器メーカーが独占輸入していたのですが、手放したのをきっかけに2001年より株式会社メトロポリタンギャラリーが正規輸入販売を始めました。
その時代のボビーワゴンのイメージは、完全に事務用品の一つという感じだったそうです。
これを家庭で定着させる???というのが周りの評判だったそうです。
それをメトロポリタンギャラリー、ひいては同社の社長は実際定着させました。
日本で家庭でも使用してもらえるようにするために色を増やしたり、マーケティングしたりブランディングをしたりと様々な工夫をしてきました。
そして今日の結果に至る訳です。その成功は。
今となってはボビーワゴンは便利でどこでも使える収納家具なのですが、そうするために努力をした人がいたから手に入れたポジションだということだけでも覚えてください。
家具は長い目で見て評価したほうが良いですね。やっぱり。
今がうまくいかなくても、とにかく芯を曲げずプライドを持ってやり続ければわかってもらえることもあるはずです。
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