15年ほど前までは、インターネット上にはその道の専門家や実績のある人々がブログや専門サイトを通じて詳細な情報を公開していました。しかし、現在ではその光景はほとんど見られなくなりました。
かつては経験豊富で信頼できる専門家が惜しみなく情報を提供し、プロ向けの情報発信が行われていた時代でした。
それが今ではインターネット検索をすると、上位には広告がひしめき、内容の薄いページばかりが目につきます。
見た目はきれいでも中身はスカスカで、情報の信憑性すら疑わしい状況です。
一方、本物の経験と知識を持つ専門家たちはインターネット上での自己発信が困難になっています。
これにはいくつかの理由があります。
最も大きいであろう要因はSEO対策とSNSの台頭です。
SEO対策はコンテンツの質よりもクローラー(AI)に好まれる形式に合わせて作られたページが上位表示される仕組みです。
コンテンツの専門性や情報の真贋よりも、SEOに適した形式で作成されたページが優先されることから、専門家が自己発信するハードルが高くなりました。
その結果、コピペされた情報がオリジナルコンテンツよりも上位表示されるような状況が生まれました。
さらに個人で行うSEO対策は大規模なプロモーションに勝ち目はなく、個人の専門家にとっては非常に困難なものとなりました。
SNSの台頭もまた、専門家の自己発信を減少させる要因となっています。
SNSでは短い情報やエンターテイメント性の高いコンテンツが注目され、本物の知識や専門性を持つコンテンツは埋もれがちです。
また、デマや攻撃的な内容ほど注目を集め、PVを稼ぐことが容易になっています。
このような状況の中で、本物のプロはインターネット上での存在感を失いつつあります。
現場経験と知識を持つ人ほど、SEO対策に疎く、コンテンツを作る価値を見出せなくなっているのです。
自己発信する動機が金儲けではなく情報発信である専門家にとって、この状況は挫折感を生むものです。
自分の知識や経験を惜しみなく共有しても、それをパクられてしまうことも現実です。
最終的にはインフルエンサーが儲かるだけで、本物の知識は価値を見いだせないまま失われていきます。
この変化は、インターネット上で情報発信する人々にも影響を与えています。
以前は情報発信者も閲覧者も限られたリテラシーを持っていましたが、今では誰もが簡単に情報発信を行い、その情報がプロの評価を受ける環境とは異なる現状です。
このデマや攻撃的な内容ほどSNS上で注目を集め、本物の知識や専門性は見向きもされないという状況が特に悪質です。
このような状況下で、本物の知識や専門性を持つプロはインターネット上から姿を消していきました。
結果としてインターネットは偽情報があふれ、本物のプロの存在感は薄れていく一方となります。
おかげでもうインターネットには素晴らしい情報は無くなりました。
少なくとも私の専門である家具やインテリアに関しては独自性の高い情報、詳しい情報、プロの経験や知識は見つからなくなりました。
消えてしまったのでしょう。
問題はグーグルです。
グーグル検索でシェアをとって以降、あとはひたすら検索の質を劣化させ続けています。
今年のアップデートにより個人ブログは全滅しているのですが、個人だからグーグルは評価をせず消してしまっているわけです。
つまり情報の質より、広告費を稼げるコンテンツを優先するというのが顕著となったいま、グーグル検索に価値はありません。
その配信される広告が詐欺の温床だったりともうどうしようもない状況です。
情報を調べるという質が低下し、偽情報が溢れ、人の情報をわが物のように発信するインフルエンサーが台頭するこのインターネットの世界は、昔夢見た理想のインターネットとは程遠い存在となりました。
優れた情報が手に入るインターネットであって欲しかったです。
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