車、時計、etc…時勢により中古市場はどんどん相場が上がっています。
家具の中古相場もひたすら値上がりをしており、ワークチェア類は需要が高まったこともあり一気に高くなりました。
もう以前のような価格には戻らないのかもしれませんね。
ただ気になるのはその中古価格です。
中古の値付けで参考にしている定価は現在の新品価格です。
これは家具特有のことになるのですが、家具というものは同じデザインを長年ひたすら売り続けるため、新製品が出ることで過去の製品が型落ちとなり価値が無くなるという概念がありません。
しかし現在の新品価格は”あくまで現在の仕様のデザインに対しての値段設定”で、過去に販売された製品とは仕様も価格も違った場合があります。
同じ家具を製造販売し続けているように見えても、実は細部の変更や、塗装の違い、素材や仕様の違いから製造国の違いもあります。
製造上の都合により素材を変えることもあれば、アップデートするために仕様を変えていることもあります。
例えばイームズラウンジチェアは何十年も同じものを販売しているように見えますが、年々合板の積層数が増えていっていますので最新の個体が最も頑丈です。
ワークチェアは販売を続けていくうえで機能的に不都合が出た部分は改修を繰り返して常により良い製品になるように変え続けています。
このように長年販売している家具も常に変わり続けているのですが、現在の仕様や製造とは違うのに、現在の新品価格と比較した中古価格設定にするの果たして正しいのでしょうか?
これはすごく違和感を感じるのですが皆さんはどう思われますか?
販売する側の私は違和感を感じるので一律に現在の定価と比較はしないようにしていますが、実際どうなのかなと疑問に思います。
中古市場が上がればデザイン自体の価値が上がるというのもわかるので、決して悪くは捉えていませんが何となく違和感を感じます。
ただ『そんな細部まで気にするのなんてあなただけじゃない?』と言われると確かにそうかもしれません。
私に限らず家具のデザインに精通しているものほど見るだけで年代や仕様がわかったりするので、どうしても現在の仕様との違いを気にするのかもしれませんね。
でもこの更新は以前の仕様の中古は安く販売するべきという内容ではありませんので誤解はされないでください。
もちろん、過去にしか存在しない仕様こそ人気が高く価値が上がるといった場合もありますよ。
あ、しかしですね、中古より古いヴィンテージ品に関しては製造国の違いで大きく価値が変わるものがあるので注意はしないといけませんよ。
以前記事を書きましたが、これは値付けを誤っているので理解なく買ってしまうとまずいです。
本当にその家具の価値が適正化を見極めてください。
>>ヴィンテージ家具は製造国でも価値が大きく変わるので注意が必要
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