– OPTIC –
デザイナー: Joe Colombo (ジョエ・コロンボ)
ジョエ・コロンボが1970年にデザインをしたオプティク(OPTIC)は、彼が手掛けた数々の製品化されたプロダクトの中で唯一の置時計です。
彼の合理的なセンスが凝縮された使いやすさも考えられた名作時計です。
人間工学的に考えられた角度と文字盤、そして角度調整による変わった機能が特徴です。
角度を変えられるコロンボのテーブルクロック
(書籍joe colombo)
オプティクは1970年にイタリアのリチタローラ社から製品化され発売されました。(イタローラ社と表記する場合もあります)
この時計はその見た目の可愛さだけでなく、視認性、利便性も考えらたデザインです。
ホワイトとブラックのモノトーンカラーで展開をしていました。
”OPTIC”は”目”や”視力”という意味ですから、そう言われればデザイン自体もそんなように見えないこともないです。
時計の底部に角度がついていることで設置時の角度を変えることが出来ます。
これは人間工学的に見やすい位置に角度を変えられるためでもあるようなのですが、じつは角度変更をすることでアラームのON/OFFを切り替えることが出来ました。
アラームが鳴った時に時計の角度を水平にすることでアラームを止めることが出来たのですが、それはリチタローラ社のオリジナルデザインの時にのみ搭載されている機能です。
後述のアレッシィ社による復刻品にはついていません。
良く考えられた文字盤と角度です。
奥行きのある本体ですが、後方上部に穴が空いています。
”これは指を引掛けて持ち運べるためだ”のような様々な憶測がありましたが、実際にはオプティクを掛け時計にするためにフックをかけるための穴でした。
こうして穴の部分にフック、あるいはビスを引掛けることにより、置時計以外での場所でも使えるようになっています。
本体自体に奥行きがあるためムーブメント部分に穴をあける構造ができなかったゆえのアイデアでしょう。
壁掛け時計にするとちょっと違和感ありますけどね。奥行長いですし。
ここで掲載している写真は全てアレッシィ社による復刻品です。
オリジナルデザインは単三電池かなにかだったのですが復刻品はボタン電池になっています。
リチタローラ社の製造は年数不明ですが終了をしています。
その後、同じイタリアのアレッシィ(ALESSI)社にて1988年に復刻されることになります。
この時に角度調整によるアラームのON/OFF機能はなくなります。
アレッシィ社による復刻製造も2000年の中盤頃には終了をします。
ですが、2010年に再度アレッシィ社により復刻されることになりましたが、現在では製造が終了しています。
一時停止なのか、終了なのか詳しいことは私も分かりませんが、私がアレッシィ製品の正規販売店をやっていた時に製造終了告知があったので、そのまま現在まで引き続き終了中なのでしょう。
いつか再開すると良いですね。
天才ジョエ・コロンボのデザインを手軽に手に入れることが出来るのがこの時計の良さでもありました。
ボビーワゴンの上に置くとやっぱり相性が良いです。
以前は私もそうした展示をショップでしていました。
イタリアンミッドセンチュリーとまでは年代的にギリギリ呼べないのですが、イタリアンモダンデザインの名作時計ですので知っておくと良いですよ。
たまーにリサイクルショップとかでタダ同然みたいな価格で売られていることがあるらしいですから。
価値の分からない人には安っぽいおもちゃの時計に見えるのかもしれませんね。
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