私は半分以上は海外の家具の販売をしているのですが、そんな家具の配達をする際には、たまには家具の組み立てもします。
配送業者は家具の組み立てサービスが標準オプションにありますので別料金で依頼できるのですが、組み立て家具納品はケースバイケースで配送業者に任せるか、自分自身で配達して施工するかのどちらかを選択します。
基本的にお客さんにとって良い提案をするように心掛けていますけど、中には配送業者には任せることが出来ない家具というものがあります。
そういった場合は自前で配達施工をするしかありません。
よく”海外クオリティ”なんて言葉を使ったりしますが、ちょっとその辺の話を書いてみます。
普通には組み立てられない家具
配送業者による組み立てサービスには依頼する条件にはこれらが必要です。
「説明書がある」
「誰でも初見で組み立てができる」
「そのまま組み立てが全部できる」
そうじゃないとその場で組み立てできないからです。
そんななか、海外の家具でたまにあるのが説明書が不十分というものです。
曖昧な説明書だったり、そもそも説明書が無かったりとか。
この場合は配送業者に任せられませんから自分で施工するしかありません。その施工方法だって自分で経験して覚えるしかないです。
でも日本法人や代理店により日本向けの説明書が用意されていることもあります。この場合は問題ないですね。(自分で説明書を作っても良いですけど。)
問題はここからです。
そのままの状態で組み立てができない家具というものがあります。
ネジ穴の位置が合わない、微妙にフレームが曲がっている、削らないとパーツ同士が合わないなどです。
どれも説明書のままでは組み立てができないので、個体ごとにネジ穴を広げたり、ナットを削ったり、力技で正常な位置に戻したりします。(最後のは非推奨)
組み立てできるように工夫をしないと完成しないんです。
これを”海外クオリティ”なんて呼んだりすることもありますけど、あまり良い呼び方じゃないので忘れてください。
日本メーカーだとあまりないですかね。
仮にあっても工場からパーツをすぐに取寄せ直したりして家具を完成させられますけど、海外のメーカーは海外に工場がありますからね・・・
個体差ということで、工夫をすれば組み立てができるのならばそれでOKという考えもあったりします。
こういった家具は配送業者では工夫まではして組み立てはしてくれませんから組み立てサービスを依頼することが不可となります。
難しい家具ですね。
でもこういった家具をちゃんと納品施工してアフターフォローまでするのが販売店の仕事ということでもありますので、自分たちで施工できないのなら販売はしないという判断をしないといけません。
画像だけのオンラインショップが乱立していますが、難しい家具だということを販売する側も分かっていないので納品時にトラブルが起きているんじゃないかな?とか思ったり。
組み立て中に削ったりまでしないといけないような家具となると私は無理なので、そういった家具だということが事前に分かっている時は専門業者に依頼して配達施工までやってもらいます。
まったく組み立てができない家具とかだとすごく困りますね。
もうこれは組み立て中に発覚すると血の気が引きます。今まで何度かありました。
もっとも困った家具の組み立ての思い出は・・・10年ぐらい前ですかね。
遠方地で家具の組み立て納品を1人でしていたのですが、テーブルの脚のネジ穴が溶けていて組み立てできなかったんです。
溶けていてって意味わかりませんよね?私もわかりません。でもそのままです。溶けていたんですよ。
個体差というかただの不良品なんですけどこれ検品してないの???と驚きました。
その時すでに時刻は24時近くになっており、次の日はテーブルを利用したイベントをすることになっていました。
もうどうしようかと途方に暮れたことがあります。
懐かしい。
今でも家具の組み立ては手こずることがあります。
こうした経験を繰り返すことで何が難しい家具かわかってきますので、販売する際にお客さんのために良い提案ができるようになります。
誤解が無いようにお伝えしますと、家具自体は良いものですよ。
ただ作りが特徴的のため組み立てが難しいという風に解釈してくださいね。無理に組み立てている微妙な家具ということではないです。
そもそも知識が無いと組み立てができない家具ということです。
安物の不良が多い組み立て家具とはまた違った意味ですよ。
あ、良い例えを思いつきました。
子供の頃プラモデルをよく作っていましたが、ガレージキットは模型知識が無いと作れませんから子供には手に負えませんよね?
そんな感じです。特徴的なデザインの家具は造りも特徴的ということです。
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