– Eames Wire Base Table –
デザイナー:Charles & Ray Eames
小ぶりなサイズが特徴のこのイームズワイヤーベーステーブル(LTRT)は1950年に発表されました。
1940年後半からイームズ夫妻はワイヤー組みの家具製作をしており、その中でこの日本のお膳のようなデザインの小さなテーブルを作り上げたのです。
イームズによる最も小さいテーブル
小さな天板は上写真のイームズエリプティカルテーブル(ETRT)から切り出したプライウッドを利用して作ったと言われていますが、ETRTは1951年の発表なので前後しています。
リリース順場違うだけでデザイン順だとETRTの方が早いのかもしれません。
LTRTでの有名なエピソードとしてイームズハウスで行われたSUKIYAKIパーティーがあります。
イームズ夫妻は自邸にイサム・ノグチやチャーリー・チャップリンらを招いて日本の食事スタイルを真似て食事会を行ったという記録が残っています。
写真のように床に直接座りLTRTをまさにお膳として使用していました。さらに茣蓙まで敷いています。座布団ももちろん
茣蓙や座布団は以前からイームズハウスでは使われていたアイテムなので特別に用意したものではないと思います。
この時に同時にお茶会も開かれたそうですよ。
このLTRTの天板に生地を張り込んで足載せ用オットマンとしたり、小さなスツールとして活用するアイデアがあります。
このアイデアはハーマンミラー社による公式のもので、上写真は1966年のとある病院内の光景です。
資料の説明には”Eames LTR base with orange seat cushions (special application)”って書いてあることからわかるように、かなり以前から使われていました。
イームズアームシェルチェアがタンデムベースに並び、黒いネルソンプラットフォームベンチに、中心のイームズコントラクトベーステーブルもエッジがホワイトなのは当時としては珍しいです。
このような多くの場所でサイドテーブルとして、お膳として、スツールとして活躍する万能なデザインがLTRTの特徴です。
さらにイームズデザインの中では安価なのも魅力です。
現在ではハウスインダストリーズとのコラボレーション品や、レイ・イームズ生誕100周年を記念した数量限定カラーなど、定期的に限定品が発売されており数多くのバリエーションが存在します。
私のお客さんの中にはコレクションをしている人たちがいらっしゃるように、集めやすいサイズなのも人気の理由でもありますね。
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