今はお店に展示していないのですが、以前著名デザイナーの高額ソファをお店に展示していました。
非常に独特な見た目のためアート作品ともいわれるような50年代にデザインされたソファです。
もう何年前でしょうか、ある日そのソファの正規品を正規販売店である私のお店で展示しているということでお店に訪ねてきた若いカップルがいました。
そのカップルはミッドセンチュリー期のデザインが好みということで、お店に置いてあるデザイナーの家具を見てはわいわい話していました。
正規品を求めているかと思いきや・・・
そして目的のソファの試座をしてもらいながらデザインストーリーや耐久性や保証やスペックなど話し、部屋の写真を見せてもらいながらコーディネート提案をしたり、カップルの家具インテリアについて聞きたいことすべてに答えていました。二時間ぐらいは話していたでしょうか。
いろいろ質問が多かったのと搬入の段取りまで全部やっていましたので。
そうして相当な時間話した後にこう言われました。
カップル「このソファが欲しいんですけど正規品は高くて買えないんですよ。リプロダクト品を買うつもりなんですけど、これと同じですよね?」
私「・・・」
あまりにモラルが無さ過ぎて私が黙っちゃいました。あっけにとられたというか・・・
「同じですよね」って同じなわけないですよね。
まずそもそも正規品と非正規品というとてつもなく大きな違いがありますし、クオリティのことを言っているのならそれも当然違います。
保証の話とかまでなんで聞いたんだって話です。保証は正規品のことですから。
しかも私は正規販売店をやっているわけですからコピーの類は販売していません。それは相手も知っています。
私が「同じですよ!正規品買わなくて良いですよ!」と言うのを期待したのでしょうか。
またはもうちょっと邪推すると、購入した模倣品に何かあった時に「お前が同じだって言ったから買ったんだろうが」とクレームをつけることが出来るようになるからかもしれません。ここまでは考えすぎかもしれませんが、実際いまの世の中はとんでもない人もいますので・・・
とにかく最初に目的を言うという常識が欲しかったです。
最初から模倣品買うからと申告してくれたら良いのに、散々人に説明させて最後に言うのはフェアではありません。
模倣品買うつもりだと最初から言ってくれたら最初から来店を断りました。
以上、そんな思い出話でした。いろんな人が居ますよね。
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