– Dining Table –
デザイナー:川上 元美
このテーブルは日本のデザイン界の重鎮である川上元美 氏がデザインしたダイニングテーブルです。
優れたデザインと佇まいの美しさは誰もが目を惹かれます。
でもメーカー名もないですし流通もしていません。川上氏ほどの実力者の家具なのになぜでしょうか。そしてそれを私が販売している理由も書きます。
このテーブルがデザインされたのは2014年のことです。
川上氏が青山にあったKnoll Storeのためにデザインをした家具です。
本来は上写真のように椅子とセットでデザインをされたものです。
※現在販売はしていません。
そしてこのテーブルと私が出会ったのは2015年のことです。
Knoll Storeのためにデザインされた家具でしたが、Knoll StoreはKnoll社の製品を販売をする場所ですので、storeの一階にはKnollの製品しか置いてはいけません。
だからこれほど優れた家具でしたが目立つ場所にはありませんでした。
sotreには2階にもフロアがあり、そこにはKnoll社の製品以外の物を展示していました。
その隅で社員がデスクとして使っていたテーブルがこのダイニングテーブルです。
私は取引先でもあったためKnoll Storeにはたびたび訪れており、たまたま二階に上がった時に一目で私はこのデザインに惹かれました。
すごくクオリティが高いことは見ればわかることですが、私は「イタリアの家具かな?」と感じました。何となくイタリアっぽい印象を受けたのと、イタリアの製品もそこでは多く販売していたからです。
テーブルのプライスを見て見ると、なんとと値段が23万円税別と驚きのお値打ちさ加減でした。さらに説明を読んでみると川上元美氏の名前が書いてありました。これはいったい・・・?
非常に興味を持った私は社員さんに話を聞くとイタリアなんて全然関係なく、飛騨で製造していることを教えてもらいました。
つまり日本人デザインの日本のブナ材を使った日本製造なわけですから完全な日本の家具です。
そこにまた私は惹かれました。良い日本の家具があるじゃないかとテンションがあがりました。
その瞬間に私の頭の中にはシェルチェアと合わせた光景が浮かびました。間違いなく格好良くなる!と。
(こんな感じ)
それで私は交渉をして許可を貰い、特別に私のお店でも展示販売できるようになりました。
本来はKnoll Storeのためだけの家具ですのでホールセールスは考えていない物だったので特別処置として先方から「オギソさんの店でしたら」とOKをもらいました。
イタリアっぽく感じたのは、川上氏は3年間イタリアのアンジェロ・マンジャロッティ事務所で働いていた経験があるのと、現役でアルフレックスで新作をリリースしていることから私が察知したのでしょう。
日本の家具の技術力の高さとデザイン力の高さが合わさった素晴らしいテーブルです。
本当に仕上がりが良く感心します。
(カラーバリエーションもある)
私が注目をしたことでデザインが見直され、Knoll Storeでも売れやすい位置に移動をしてしばらく2店舗で販売をしていました。おかげさまで好評を得ることができて、さらに今までKnoll Storeで売れていなかったのが私が紹介や宣伝を始めた影響で売れ行きが良くなりました。
が、2017年にライセンスの関係でKnoll Storeがクローズすることになったんです。
すると、これほどの家具なのになぜかうちでしか販売していない家具ということになってしまったんです。
そして現在に至る。
世の中には優れた家具なのになぜか一般には流通していない家具というものもあるんですよ。
その一つがこのテーブルです。
ダイニングテーブルの名作ともなりえるデザインですので、今後の発展が期待される家具です。
私のお店ではいくつか納品事例を載せているのでご覧ください。
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