
実は日本では不良や問題が起きる家具でも、その家具の本国では特に問題が起こっていないということがあります。
どの製品とは言えませんが、これが起こるのは特に名作家具と呼ばれる、デザインされた年代が古い家具です。
また、その名作家具が当時から同じつくりをしていて、現行品が存在する場合もあります。
これは何故かというと、例えば1950年代の家具が、デザイン当時にデザイナーが世界中で使われることまで考えて設計しているかを考えるとわかりやすいです。
家具というのは歴史や文化、その時代の新素材など、そういった事情によって新しく生まれるものです。
世界中で使われることを前提にしていないなら、当然デザイナーが住む土地を中心にデザインを考えます。
だから地域ごとに違った家具が出来上がり、それぞれ面白い歴史が作られるのですが、そうすると、その家具がほかの地域ではうまくいかないことがあります。
それが例えば日本です。
高温多湿で四季があり、年間を通して温度差が激しいです。
となると家具は、年間で乾燥したり、湿度を吸ったり、熱で膨張したり、寒さで収縮したりを繰り返します。
雨季は湿気でカビが生えることがあるような国で、冬は冬で雪が降るほど乾燥します。
家具にとっては過酷ともいえる場所です。
だから日本では昔から、その地域に合わせた家具を作って使われていたんです。
桐箪笥は湿気を吸い内部の衣服を守る、畳は湿度を吸ったり吐いたりして室内環境を安定させるなどなど。
これが独自の文化でもあり面白いのですが、昨今の欧米主流の家具インテリア文化だと、外国の家具をそのまま使うわけです。
だから問題が起きます。
じゃあ海外のメーカーは今も外国の地域差を考えずに販売しているかというと、そうでもないです。
実際に私が見た工場では、温度60度以上の部屋に何か月も入れて実験したり、その逆にマイナス環境に入れて耐久性を確認していました。
しかし、日本のように年間を通じて大きな温度差があり、さらに湿度変化まで繰り返される環境を、そのまま長期間再現して試験するのは簡単ではないと思います。
そんなわけで、日本だけ問題が起きやすい家具が生まれるんです。
つまり、ほかの国でも日本のような事情を持つ国では、同じようなことが起きます。
なにせ日本はイームズラウンジチェアにカビが生える国ですからね。
あれは構造上、シェルとクッションの間に隙間があり、そのおかげで分解が容易でメンテナンスしやすいのですが、それが逆に仇となってカビが生えることがあります。
当時ロサンゼルスに住んで仕事をしていたチャールズ・イームズが、ここまで想像できていたとは思えません。
ちなみに、チャールズ・イームズは日本に来たことがありますけどね。

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