イームズアームシェルチェアには初期製造品の1st(ファースト)と呼ばれる個体が存在します。
初期製造品は後に製造された個体と異なった仕様をしており、以前その特徴の解説しました。
>>ゼニス製造の1st(ファースト)と呼ばれる最初期のイームズシェルチェアの特徴とは
ではイームズサイドシェルチェアに初期製造特有の特徴があるのかというと・・・あります。
しかしアームシェルチェアほどの違いはありませんし1stという呼称も使われません。
今回はイームズサイドシェルチェアの初期製造品の特徴を解説します。
初期のイームズサイドシェルにはどんな特徴があったか
イームズサイドシェルチェアは1950年頃に製造販売が開始されました。
イームズアームシェルチェアは1949(1948)年からなのでサイドシェルは後から加わった形です。
最初期のサイドシェルチェアはすでにゼニスの文字はなくハーマンミラーのラベルのみ貼ってありました。アームシェルの2ndと呼ばれる個体と同時期の為ラベルは共通です。
最初期のアームシェルほどではありませんが初期のサイドシェルもプラスチックが薄くガラス繊維の量が多いです。
裏から光を当てると手が透けるぐらいの薄さです。
この薄さは初期製造品以降もしばらく続きます。
最も特徴的なのは形の違いです。
初期のサイドシェルは背と座の中央部のカーブが浅いです。
そのため座ると背もたれが後ろに”しなり”ます。
しなること自体は良いのですが、過剰に力を入れると背と座の中央端にクラック(亀裂)が入ることがありました。
そこで初期のサイドシェルチェアの製造は2、3年ほどで終了し、1953年頃から背と座のカーブを深くした仕様に変更し、この形をサイドシェルの定番とし以降はほぼ同じ形で80年代の終わりまで製造をしていました。
比較をするとよくわかります。
左の初期型サイドシェルチェアと右の50年代中期以降のサイドシェルチェアを見比べると右のほうがカーブが深いことがわかります。
初期のサイドシェルチェアは数年間しか製造がされていないため個体が少なく、そのうえプラスチックが薄くクラックが入ることがあったため現存しているヴィンテージも珍しくなりました。
ただアームシェルチェアほど価値が出ることはありませんので、どちらかというとカラーの方がヴィンテージ市場価値は高くなります。
以上が初期のイームズサイドシェルチェアの特徴です。
もし持っているサイドシェルのプラスチックが薄いようなら初期製造品かもしれませんね。
確認してみてください。
背もたれのしなりは動画のほうがよくわかりますよ。
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