– Eames Shell Chair Stacking Base DSS –
デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ & レイ・イームズ)
イームズシェルチェアには積み重ね&連結が出来るスタッキングベースという脚が存在します。
このスタッキングベース、実は仕様が3つ存在します。
通常のスタッキングベース、テーブル付きのスタッキングベース、そして連結できないスタッキングベースです。
イームズシェルチェアが大量に必要な場で活躍するベース
まずこちらは普通のスタッキングベースです。
公共施設、オフィス、学校など椅子を大量と必要とする場所のために開発されたベースです。
1954年に発売開始がされました。
品番は「DSS」です。Daning Side Stacking。
アームシェルはラインナップに存在しません。(ベースを付け替えればアームシェルでも使えますが意味はありません)
Stack(積み重ね)を意味する通り、シェルチェアを縦に積み上げることが出来ます。
さらにベース横のフックパーツ同士で連結することで横に並べることもできます。
こちらは「DSS-TA」です。
スタッキングベースに小さなテーブルが取り付けられた仕様です。1963年に発売されました。
このテーブルは跳ね上がる構造になっているので座る際に邪魔になりません。座ったらテーブルを下げることが出来ます。
視聴覚室や会議室といった場所でよく使われていました。
スクールベースという愛称で呼ばれることがあります。
テーブルがついても積み重ねは可能です。
TAはTableからでしょう。
こちらは一見すると普通のスタッキングベースですが、よく見ると連結するためのフックパーツが付いていません。
品番は「DSS-N」です。
あまり見かけないスタッキングベースだと思います。
これでも積み重ねは可能です。
価格はフックがつくものとほとんど同じなので、何か理由が無い限りはこのDSS-Nは選ばれません。
その理由は特に思いつきません。見た目をスッキリさせたい場合でしょうか?
Nはたぶんnoneとかそんな意味でしょう。
90年代からヴィトラ社によって復刻はされていますので現在も正規復刻品は製造販売されいます。
ハーマンミラー社製のスタッキングベースは2010年ごろから製造が始まっています。
ポリプロピレン製、ファイバーグラス製の2種類の素材から選べます。
(ウッドシェルチェアは何故か選べません。)
スタッキングベースは基本的に住宅では使われないです。
椅子を大量に必要とする場面で活躍するイームズシェルチェアです。
専用のドリーと呼ばれるキャスター付きの運搬用の台が存在します。
ヴィンテージ市場にこのスタッキングベースは米国製、日本製、ヨーロッパ製が存在します。
スタッキングベースも米国製と日本製でサイズが違いますし、塗装も違います。
別の国同士のヴィンテージ品は積み重ねが出来ないので注意が必要です。
見分け方は説明が難しいのでここでは出来ません。
私は見ればわかります。
日本でも昭和はシェルチェアを公民館や公共施設で大量に使われていたことがあります。
過去には数百脚もヴィンテージ品が同時に放出されることがあり、私もその時には大量に確保して販売したものです。
コメント