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イームズシェルチェアをバーカウンターで使うために一本脚にした「MBP-C」とは

イームズMBP-C

– MBP-C –

デザイナー:Charles & Ray Eames (チャールズ & レイ・イームズ)

 

イームズシェルチェアのバリエーションの中で格段に見かけることがなく、そもそも存在を知らない人の方が多いであろう仕様こそ、このイームズMBP-Cでしょう。

全然知られていませんが、イームズシェルチェアにはこうした一本脚のバースツールが存在しました。

米国製と日本製が存在しますが、今回は日本製について話をします。

 

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イームズバースツールが存在しました

MBP-C

MBP-Cは1957年にデザインされたイームズサイドシェルチェア用のスツールです。

今回写真で紹介しているものはモダンファニチャーセールス製のイームズシェルチェアです。

モダンファニチャーセールスは1964年に創業(正しくは改名創業)したハーマンミラージャパンの前身のような会社で、ハーマンミラー製品の輸入代理業務をしつつライセンスを得て日本製のハーマンミラー製品を製造販売していました。

その一つにバーカウンターで使用する脚の長いこのイームズMBP-Cが存在します。

米国ハーマンミラーでは1957年から10年間しか製造販売されていない脚です。

それを参考に国内製造をしていたわけです。

 

バーでの使用風景

潔い一本脚のシンプルなデザインです。

シェルチェア自体は他のベースでも共通して使用するもので、サイドシェルのみ選択できました。

シェルチェア自体も日本製です。

ベースは床に直接固定するため、バーや飲食店の内装をする際に一緒に施工をしていました。

さりげなくオートリターン機構を備えているので、人が座っていない状態だと自動的に正面に戻るようになっています。

 

イームズMBP-Cチェッカー

ジラードのチェッカー生地を使った仕様でも作れました。

 

ところでどうしてこのイームズMBP-Cは国内でもほとんど見かけないし情報が出ないかです。

こういった完全にコントラクト用の家具は一般の人は求めませんから存在自体がプロや業界内でしか認知されづらいです。

そもそも昭和の時代に日本でハーマンミラー製品を一般の人が買うということ自体が珍しいことだったようですし。

流通するのは限定的な場所だけです。

そのうえMBP-Cは床に直接固定する構造のため、その飲食店が廃業した際にはそのまま廃棄されることになります。

サイドシェル部分だけは使いまわせるので、それだけは回収されることもあるでしょうが、ベース部分はそのまま捨てられるか、もしくはベースが回収されてもシェルチェアに装着することが一見しただけではわからないので、用途不明のベースとしてそのまま結局は処分されがちです。

 

実際、このベースだけあっても何が何やらで使い方がわかりませんし、仮にシェルチェアに取付するということがわかっても、そのうえで別の飲食店で再利用するケースは稀でしょう。

時代も時代ですし、とっておくとか考えず何でも捨てていました。

 

このため、MBP-Cに限っては特に現在見かけないイームズシェルチェアのバリエーションとなっています。

まだもしかしたら使い続けているお店とかあるかもしれませんね。

 

最後にMBP-Cの意味ですが・・・

私もわかりません!何の頭文字でしょうか・・・?

 

順当に考えると・・・PはPivotでしょうけど、BはまさかBar??

Mは・・・なんでしょう?高さを高さや使う場所を想定した頭文字のはずですけど思いつきません。

最後のCもよく分かりませんし。Contractとか?Counterかも?

 

誰か知っている人がいますかね。

 

イームズシェルチェアのアルファベットの羅列の意味
ミッドセンチュリー期の名作家具の一つといえばイームズ夫妻によるシェルチェアです。 そんなイームズシェルチェアですが、”DSR”や”RAR”などアルファベットの並びで製品の個体を区別しています。 これはハーマンミラー社が昔からカタログに掲載している品番表記方法で、それが現在までも使われておりヴィンテージや新品を問わずに製品の呼称として使われています。

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