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鉄球に繋がれた女性のような椅子「ドンナ」

ドンナ

– Donna (UP5/UP6) –

デザイナー:Gaetano Pesce (ガエタノ・ペシェ)

 

Donna(ドンナ)はイタリア人建築家/デザイナーであるガエタノ・ペシェが1969年にデザインをした椅子です。

ペシェはバウハウスを模したデザイン集団Gruppo Nに参加し、デザインや建築の分野で活躍をして多くの斬新な作品を残しました。現在もご存命です。

 

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女性をイメージした椅子

ドンナの後ろ姿

ドンナは1970年にB&Bイタリア社から発売されました。

”ドンナ”という意味自体はイタリア語で貴婦人(女性)を意味し、多産祈願の古い像をモチーフにしてデザインされています。

何となくふくよかな女性にも見えるこの椅子は、いわく、ペシェ自身による女性像らしいです。

 

並んでいる丸いオットマンは鉄球をイメージしています。

製品版では椅子と紐で結ぶことで、社会や家族といった重りに囚われた女性を擬人化したデザインとなっています。

初期段階では鉄球は鎖で結び付けられておりもっと直接的に囚人というイメージがあったそうです。

 

ドンナは60年代のポップアートやラディカルデザインの流れを受けたような奇抜で印象的な椅子です。

 

このデザインは構造的に当時としては珍しい手法を取っていました。

写真はありませんが、このドンナは発泡ポリウレタンとファブリックのみで作られています。

だから内部にフレームは使っていません。

その為、工場出荷時は発泡ウレタンを真空圧縮をしてサイズを極限まで小さくしていました。

ドンナ購入者はパッケージを切ることでポリウレタンに空気が入りドンナの元の形にまで膨らむ様を楽しむことが出来ます。

これにより輸送コストや搬入の問題をクリアしています。

 

座り心地はもちろん良いです。

包み込まれる感じが心地よく、ご想像の通りまるで大きな女性に包まれている様です。子供になった気分ですね。

 

使った写真は埼玉県立近代美術館のものですよ。

 

名作椅子がたくさんあって座り放題!埼玉県立近代美術館
埼玉県さいたま市にある美術館にはピカソや 川合玉堂といったアートを収蔵していながら、別名”椅子の美術館”と呼ばれるほど多くの名作椅子が展示されています。椅子コレクションを紹介します。

 

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