キリムやギャッベ(ギャベ)というラグを本当によく見かけるようになりました。
販売するお店が増えましたし、雑誌やインターネット上でも盛んに情報が載せられています。
キリムやギャッベの説明は今回は省きます。
それが趣旨ではないので説明はwikiでも読んでください。
今回の話は、キリムやギャッベを販売する理由を家具やインテリアを販売するお店側からの目線、つまり売る側からの目線で書いてみます。どうしてここまで販売する店が増えたかです。
お店にとって都合が良いことが多いからですね。
先に言っておきますが私はキリムもギャッベも販売していませんし、今のところやることもありません。
※キリム製法のマハラムのラグはやっていますけど今回の話とは違ったものです。
キリムやギャッベを売りたい理由
・流行っている
・入手が容易
・価格の比較がされない
・利益率の設定が自由
・高額でも不思議じゃない
・輸送時に折りたたみもできるし割れないし傷がつかない
・買い替え需要がある
・新規顧客向け
こんな感じでしょうか。ひとつひとついきます。
・流行っている
これは卵が先か鶏が先かみたいなのですが、流行っているからですよ。もうそれだけで売れますから。
周りが勝手に宣伝をしてくれるので潜在的な顧客が増えてくれます。
・入手が容易
入手が容易?と疑問に思った人がいるかもしませんが、別にトルやイランまで買い付けに行く必要はありませんよ。(行っているところもありますよ)
普通に輸入業者(メーカー)が国内にありますのでそこから仕入れられます。うちにも営業の電話がありますし、販売する店は選びませんからどこでも流通しています。
で、そうした業者の話を聞くと利益率の話をするんですよね。「○○では利益率を××%で売っていていますよ~」とかセールスポイントとして使います。
・価格の比較がされない
・利益率の設定が自由
それがここに繋がりまして、売りたい価格で売ることが出来るというのが大きいです。
基本的に全部柄も違う一点ものですから、お店の売りたい値段設定ができます。オリジナル商品ではないのにオリジナル商品のようなことが出来ます。
価格の比較を他店とされないのも重要です。柄が違えば別の製品ですから。クオリティだとか素人にはわからないじゃないですか?二つの別のお店が同じ輸入会社から仕入れていても、お互い販売価格が違ったとしても消費者にはわかりません。
・高額でも不思議じゃない
手織りの自然素材を使ったラグですから、高ければ高いほど高級感が出ます。付ける値段で感じる価値が変わるみたいなものですね。同じキリムでも100万円とつけていても「そういうものかな」と思いますから、高級志向な人に売れるのではないでしょうか。高ければ高い方が良い物だと思ってくれます。
だってどこで作ってどんな製法なのかまで分かりませんし。同じラグが他の店で10万円で売られているも気づきません。なにをもって価格設定をするのか基準があやふやです。
説明では”遊牧民が”とか書いてありますけど、、、あ、思いだしました。これは実際にキリムを現地まで買い付けに行っている人からの話なのですが、本当の遊牧民は販売するためにたくさん作ったりしませんから、結局は現地の工場で量産されているラグを買い付けてきているとか、普通に販売されているラグを買ってきているそうです。だから遊牧民が作っているというのは大抵の場合は嘘だそうです。
・輸送時に折りたたみもできるし割れないし傷がつかない
まとめて梱包して雑にトラックに積んでも壊れません。これは家具業界ではありがたいものです。楽でしょうがないです。
畳んで立てておけば在庫スペースもそこまで必要ないです。
広げて展示するとなると大変ですけどね。床に敷いちゃうと売れなくなりますし。
・新規顧客向け
そうはいってもキリムやギャッベを持っている人たちは多くは無いわけですから、これから新しい顧客のために売れてくれます。「椅子は既にあるから」とか言われないです。しかも一部屋だけじゃなく、どんな場所でもラグですから売れる可能性を持っています。
ということで、家具が売れない時代に新たな商材として都合が良いのでみんなが飛びついているわけです。
もちろん根底にあるのは良い物を販売したいというものがあると素晴らしいですけどね。
以前からキリムやギャッベを専門にやっている会社や、現地まで買い付けに行ったりプライドや根拠を持ってやっている会社はありますから誤解はしないでくださいね。なんだか非難しているみたいな内容に感じるかもしれませんが、あくまで売る側にとって都合が良い部分を書いただけです。
買うならプロフェッショナルから専門的なサポートを受けながら選ぶと良いと思いますよ。
餅は餅屋です。
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