ジョージ・ネルソンが50年代にデザインをして米国のハワードミラー社より製造販売されたこのボールクロックは、アメリカンミッドセンチュリーモダンを代表するクロックのひとつです。
有名すぎて見たことない人の方が少ないかもしれません。(家具やインテリアに興味を持っている人限定で)
現在復刻された正規品はドイツのヴィトラ社より販売されています。
そんなボールクロックも一昔前はデザイナーのクレジットは”ジョージ・ネルソン”でしたが、数年前から主にハーマンミラー社とヴィトラ社での両正規メーカーでは”アーヴィン・ハーパー”とクレジットが変更されています。
ネルソンはディレクションの天才として、実際に現場で手掛けた人物としてアーヴィン・ハーパーがフィーチャーされることになり、クレジットもいろいろあって変更されましたようです。
模造品対策でもあるのでしょうか。
別にネルソンに限った話ではないですが、実際ネルソン自身がデザインしたプロダクトは少ないです。
彼はネルソンアソシエイツの代表であり、彼の会社から作られたものは彼のデザインとなります。
イームズもそうですが、自身のオフィスでデザインされたもののクレジットがイームズとなるわけです。
現在のデザイン会社達もそうですよね。代表が全部やっているわけではありません。
でも、もともとボールクロックのデザインの由来は、こんなストーリーが存在しました。
”ネルソンの仕事場にイサム・ノグチとバックミンスター・フラーがやってきて、ネルソンが制作中の時計に両氏が口を出し始め、酒を飲みながら深夜まであーでもないこーでもないと盛り上がったそうです。
翌朝ネルソンが二日酔いの頭で出勤すると、そこにはボールクロックのデザインがが。
ネルソン曰く「いまだに誰のデザインなのかは分からない。私じゃないのは確かだ。ふたつのバカなものを合体させて傑作を生み出す天才、ノグチの仕業だろう。」”
とまあこういったような話が過去の資料やいくつかの本でも書かれていました。
最終的な仕上げをアーヴィン・ハーパーがしたというのなら間違いじゃないですけど。
実際どういった経緯で、実際に誰が手掛けて、実際にどういったライセンス管理になっているか正確なことは当人にしかわかりません。
いずれにせよ、現在ではボールクロックのデザイナーはアーヴィン・ハーパーとなっておりますので、正規品を持つ人たち、これから手に入れる人は覚えておくと良いですよね。
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