昨今は環境問題やエコロジー、SDGs(持続可能な開発目標)を考えた商品開発や製造が重視されています。
素材のリサイクル、エコ素材の利用、環境への配慮など様々な取り組みがされています。
家具の世界も例にもれず取り組まれていますが、もともと家具は「長いあいだ使い続けて捨てない」という文化がありました。
同じ家具を何年も、何十年も、あるいは生涯をともにし、時には修理をしながらひたすらに使い続けることはエコではないでしょうか。
歴史的に家具は職人が一点一点手作業で作っていたものです。
それが現在はライン化され大量生産をして値段を落とし、クオリティを追及しない買い替え前提の「ファスト家具」が一般化しています。
こうした家具は基本的に長く使うことは想定しないので、修理が出来ず素材的にも長くは使えません。
いつ頃からこうした家具が一般化したかまではわかりませんが、70年代にはイケアが日本に初上陸しており、その時は”買って捨ててを繰り返す”ということを訴求していました。(その割に値段が高かったそうです)
ファスト家具を否定するつもりはありません。
人々のニーズに合わせて市場は変わるものですから求められた結果ということですし、その役割もわかっています。
その反面、従来の質の高い製造をする家具メーカーの家具はファスト家具と比べられてしまい「高い」という評価をされてしまうようになりました。
それだけの良い家具を製造しており、もともとの家具の価値も変わっていないのですが、安価な製品が席巻をするとどうしても比較をされてしまいます。
ファスト家具は消耗を繰り返すことでリサイクル前提の製造をします。これがエコだと認識されます。
ですが、そもそも捨てなければ良いのではないでしょうか。
良い家具をずっと使い続けて捨てなければリサイクルも何も考える必要がありません。
長く使い続けることで思い入れも入ることでますます手放さなくなります。
もし必要なくなったとしても捨てることはせず誰かに譲るはずです。
自分が使わなくなったら誰かが使うリユース。これもエコですね。
それに良い家具は壊れてしまっても、お金をかけてでも修理をしようという気持ちにもなります。
安易に捨てるということをせず、一度手にしたら一緒にあり続ける家具を選ぶということも必要な考えではないでしょうか。
ただ家具メーカー側のビジネスとして考えると家具がひたすら売れ続けてくれないと困ります。
どんどん売れてどんどん買い換えてくれて、どんどん捨ててくれないと成長に限界がありますから、お金を稼ぐという点では同じ家具を使い続けられるのは儲かりません。
この辺の経済的ジレンマがありますね。
何が本当のエコで、どれが良い悪いという話ではなく、あくまで一つの意見として参考にしてください。
ちょっとまとまってない文章で失礼しました。
エコ素材で質の高い家具を生み出すことが最も良いのかもしれませんが、どうしても長く使える素材は天然素材や金属ですからなかなか難しいです。
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