– Wire Chair Collection –
デザイナー: Cees Braakman (ケース・ブラークマン)
オランダ人デザイナーであるケース・ブラークマンが1958年にデザインをし、同じくオランダのパストー社から発売されたこのワイヤーチェアコレクションは、どことなくイームズともベルトイアとも感じ部分があります。それにはブラークマンの経歴が関わってきます。
イームズに学んだデザイン
ケース・ブラークマンは1945年~1975年までパストー社のチーフデザイナーを務めていました。
彼は1947年より他会社のデザインを学ぶためにアメリカに渡りました。特にハーマンミラー社で働きイームズ夫妻の仕事ぶりに影響を受けます。
50年代にオランダに戻ってきたブラークマンは、まずは合板での家具作りを始めます。
それらの家具類は当時パストー社から発売されヴィンテージ市場で人気を博しています。
そして1958年にワイヤーチェアコレクションをデザインして発売しました。
イームズの影響が良く分かるこのデザインは、パストー社のモダン家具デザインへの走りとなりました。
その後は一旦製造が終了しますが、2011年に同じくパストー社から正式に復刻が開始されました。
現在も製造販売を続けており、日本でも正式に流通をしています。
イームズの影響と言いますか、もうそのままですね。
ものすごく1950年にデザインされハーマンミラー社より発売されたイームズワイヤーチェアな感じがします。それをブラークマンらしく落とし込んだデザインです。
が、これはあくまで公式で説明している話です。
私見ですが正しくはイームズオフィスの影響でしょうね。
イームズワイヤーチェアの完成には当時イームズオフィスに在籍していたハリー・ベルトイアの功績が大きかったそうです。
ブラークマンのワイヤーコレクションはベルトイアのワイヤーチェアからの影響が大きいと考えます。
この椅子はベルトイアが1952年にノル社のためにデザインをしたワイヤーチェア類の一つ「420 Side Chair」です。
脚の構造に類似点を感じます。
ブラークマンはイームズオフィスの現場を見ているため、そこでベルトイアがワイヤー構造を手掛けているのを目の当たりにしていると想像できます。
ブラークマンのワイヤーチェアは座面をイームズワイヤーチェアの構造を踏襲し、脚の構造をベルトイアのチェアを踏襲した装いです。
ただ、イームズという名称はオフィスの名前を指すわけでもありますので、その会社でデザインをされたものはイームズデザインとなります。
イームズの影響によりという説明は正しいですね。
オランダのモダンデザインを代表する椅子の一つでもあり、スツールやラウンジチェアといった発展性もあるデザインが魅力的です。
※2022年4月追記:国内で販売終了となりましたので在庫限りで終了です。下記からご注文いただけます。
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