セールセールセール。
今の時期はセール時期ですのでどこもかしこも街でもデパートでもお店では何かしらの”SALE”をしています。
セールは安売りのことですね。
いま多いのはクリスマスセールでしょうか。もうすぐ年末セール、歳末セールだったり、そして正月セール、年明けセール、ハッピーニューイヤーセールといろんな名前の”セール”が目白押しです。
この時期で無くてもセールだらけです。
一年間を通して何かしら理由を付けてセールをしています。
昔はボーナス時期だけやっていたのが普通でしたが、今はもう何でもセールです。
ハロウィンセールとかまでやっていますから意味が分かりません。
何の理由もなく安売りをするのは良くないから「セールをする理由」を後付で探しているんでしょうね。
もう一年中セールをする勢いです。
いつでもセールをしている
これはつまり、「うちの店はセールをしないと売れない」ということをアピールしているわけでもあります。
普段からちゃんと仕事をして売り上げがあるのならば、わざわざ安売りをする必要もないからです。
安売りしかできない程度の存在だと世間に知らしめているわけですから、そんな人たちの言うことに信憑性は無くなります。
一度セールをすると一時的に売り上げは増えますから、売り上げが悪くなるとセールをするようにもなります。
しかしこれは悪循環です。セールという名の安売りは一度するともう後には戻れない常習性の高い麻薬のような行為です。最終的には滅びます。
セールしてしまうともう通常の時に定価では売れなくなります。お客さんたちも「どうせ安くなるからその時に買おう」と思ってしまうからです。
それに、安売り目当ての来客は価格しか見ていませんから本当の意味でそのお店の顧客にはなっていませんし、客層の悪化からクレームも増えることで現場が疲弊します。
通常の定価の時に買い控えが起きることで安売りをしても利益が出るように、結局二重価格のような値引き販売前提の定価を付けることもあります。
定価で買うなんてもう本当に愚かな行為ということになります。
さらに定価で気に入って買った新規のお客さんが居たとしても、すぐに自分が買った物が安売りされている光景を見て落胆をします。もうお店にはいかないかセールでしか買わなくなります。
あとセレクトショップオリジナル商品が増えます。セレオリショップじゃないかというぐらいにです。
セールをすることが当たり前となると、もう健全なお店に戻ることは相当に難しいです。
価格しか見ず、製品やサービスの価値は二の次で己の要求だけ高い客層の増加により、常識ある顧客が離れることで更なる安売りをするしか売り上げを確保することが出来なくなります。いつか限界が来ます。
かたやセールをしなくても売れるお店というものは、価格以外に価値のあることを行っています。実力のあるお店はわざわざ自分を安売りなんかする必要がありません。他より価格が高いと言われようが何だろうが、それだけの魅力も意義もある存在です。ちゃんとした顧客がつくことでしっかり利益も確保して長い商売を続けます。
例えば高級ファッションブランドが安売りをしないのは、しなくともそれだけブランド力があるのと顧客がついているからです。 (そのかわりアウトレットがありますけど)
例えば著名建築家が「期間中〇〇%OFF」なんて広告を出していたらどう思いますか?仕事ないのかな?としか思えないですよね。
例えば有名レストランが安売りなんか始めたら、安売り目当ての一見客が増えることで既存の顧客が利用できなくなり、そのうちどちらのお客さんもいなくなります。
セールや安売りをしないというのはそれだけ何か秀でた部分や実力があるお店です。
それに安売りをしないというのは顧客にとってもいつ購入しても良いという安心感でもあります。
セールの中で納得できないのは「謝恩セール」、「感謝セール」という名目の安売りです。
今までの顧客への感謝のためにどうして安売りをするのか辻褄が合いません。
この行為は既存の購入者を無視しているどころか、今まで定価で買っていた人たちが安くなった光景を見てガッカリさせているぐらいです。裏切りですね。
定価で買ってくれているお客さんに対して失礼すぎます。
そうして安売りで集めた顧客は、はっきり言って他に安いところがあったらそこで買うだけです。一時的な売上回収をしているだけでそれ以上の継続は見込まれません。
以前に比べると本当にセールしか考えられないお店が増えたのは、それだけ売り上げを上げるのが苦しくなったからだと考えます。
そこで先を見たプランでどうするべきか考えられる人がいなくなっているということでもあります。今だけの儲けしか想像が出来ていません。
ちなみに私もセールはしません。他が安く売っていようがそれ以上の価値があるからです。
例外的に展示品や理由がある在庫などを安く売るクリアランスセールみたいなことはします。それも年に一回あるかないかです。さすがに展示品を定価でなんて売っちゃいけませんよ。
『展示品でも定価で構わないよ』と言ってもらえるお客さんたちが来てくれるというのもありがたいです。
売り手も買い手もお互い納得してハッピーなのが理想ですものね。
コメント