有名な話として北欧はなぜ照明文化が強いかと言うと、日照時間が短くそれを補うために室内に照明を多数設置しており、その装飾をこだわることで様々な照明デザインが生まれたわけです。
日照時間の短さは生活するにはデメリットです。これは北欧の自殺率の高さの一因にもなっているようです。
よく北欧は幸福度が高いとか○○(国名)は世界一幸せな人たちの集まりだなんて言われていますが、自分は不幸だなんて答える人は死ぬから反映されないのではないか?とか思ったりします。
話が反れましたが、寒い場所でもあるので家にいる時間も長く、それゆえ多く時間を過ごす室内に手をかけるようになります。
それが家具やインテリアです。
人は多く時間を費やす場所に手間をかけるものですから、家具文化は在宅率が高いほどに比例して高くなるのではないでしょうか。
特に家族団欒や一家での食事を重視する場所ほどその傾向は強いと想像できます。
となると、自宅で食事をしない人たちは家具やインテリアを重視しなくなるのではないでしょうか?
つまり外食文化の国は家具文化が伸びづらいのかもしれません。
今年は二回台湾に行きましたが、台湾は急成長をするアジアの重要国家です。
特に半導体やITについては世界で最も優れた技術を持ち影響力の強い存在ですし、給与や物価水準的にも日本と同等か、モノによってはそれ以上になっています。
それならば家具やインテリアも日本と同等かそれ以上になっているのではないかと思われそうですが、そんなこともなく販売店も少なくあまり印象はありません。(中華伝統の家具店はあります)
私の専門であるミッドセンチュリー期の家具屋どころや、そもそも有名デザイナーの家具を販売する店自体が少ないです。
あの有名なカッシーナを販売する店すら台北に1店舗だけです。
ちなみにハーマンミラーを販売するお店は最近1店舗増えたので台北に2店舗あります。(3店舗かも)
別に悪いことだと私は思いませんので誤解しないでください。
これは外食文化だからなのかもしれません。
台湾人は家にキッチンが無いことも珍しくなく、朝から晩まで外で食事をする文化です。
ただこれは都市部かつ人によるのでしょうが、何人かの台湾人に話を聞く限りは料理をしないし外で食べるものだという答えでした。
現地の日本語を喋ることが出来る台湾人もこの話は本当だと言っていました。
台湾人は夜型なので深夜24時でも都市部は空いている飲食店が普通ですし露店も出ています。
有名な夜市は深夜1-2時でも営業をしているほどです。
なのに朝は朝で朝食向けの店は朝4時から空いていたりと実質24時間食事をするのに困りません。
しかも安い。
最近高雄に行きスーパーを見ましたが、普通のキャベツ半玉が49元(約¥235)という高額さにびっくりしました。
でも夜市では箱一杯の炒飯が70元(¥336)で売られています。
どんな計算なのでしょうか?
確かに自炊するより外で食べたほうが圧倒的に安いです。
さらに冬でも日中は半袖で生活できるほど温暖な気候なため、季節に関わらず外に出やすいです。
この気候もあり台北はホームレスの多さにびっくりします。高雄はそれほどホームレスを見ません。
雨季はありますが日本のようにずっと雨が降るわけではなく短時間に激しい雨が降るスコール型です。
外食が圧倒的にしやすい生活文化です。
ベトナムやタイといった東南アジアも外食文化で、日照時間が長く年中暖かいのもあり外で生活する時間が長いです。
この外食文化を支えるのが飲食店の多さです。
規制が緩いのか路上で椅子やテーブルを置いて食べるのが一般的で、ちょっとでもスペースがあれば飲食店を開業しています。(台湾も東南アジアも)
そして女性が働くというのがこの外食文化を支えている要因の一つと考えられます。
日本のように共働きが普通になったというより、女性が働くという歴史によるものなのでしょうか。
一家団欒の食事が(いろんな意味で)外であるゆえ、自宅を重視しなくてもなんら不思議ではありません。
ところで台湾製の家具は増えていますが主にオフィス向けのものが多いです。
仕事向けの家具の進歩は目覚ましいものがあるので、そちら方面で強くなっていくと予想されます。
外食文化の国はどれだけ発展したとしても家具文化は育ちづらいのかもしれません。
しかし飲食店の規制が強まるとこの外食文化は壊れます。
そうなると自炊文化が広まり自宅の家具やインテリアをこだわるようになると思います。
日本に比べると台湾ですら規制が緩いですからね。
深夜23時に子供が普通に飲食店で手伝いをしているのを見ますし、衛生面もかなり緩いです。
外食文化が無くなってほしくないと個人的に思います。
そうすると家具文化が育ちづらいしとジレンマがありますね。
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