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セールは最も大切な顧客を裏切っている

セール

世の中は、当たり前のようにセールばかりする時代になりました。
セール、つまり安売りです。

なぜか。

安くしないと売れないからです。

物価高、インフレの時代において、安売りをしなければ売れないなんて、その時点で、もう終わっているというか、価値が無いというか、正直どうなのかと思いますが、問題はそれだけではありません。

セールという行為は、最も大切な顧客を裏切っている行為だからです。

 

最も大切な顧客とは誰か

最も大切な顧客とは誰でしょうか。

それは、セールかどうかに関係なく、「その時、その価格」に納得して買ってくれる人です。

ファンも同じです。

欲しいと思ったタイミングで、迷わず買ってくれる人たちです。

 

セールをした瞬間に起きること

では、そのような顧客がいる中でセールをしたら、何が起きるでしょうか。

定価で気に入って買った直後に、同じ商品が安売りされているのを目にする。

最近、定価で買った自分と、今日からセールで安く買っている人たちと一体何が違うのでしょうか。

せっかく気に入って買ったはずなのに気持ちは一気に冷め、最悪なものになります。

これはもう、最も大切な顧客を裏切っていると言っていい行為です。

当然、二度と買わなくなるでしょう。

ファンも同じです。

好きで応援し、推してくれているのに、なぜそんな人たちを足蹴にしてまで安売りをし自ら価値を毀損するのか。

それではファンも離れていきます。

だからセールをすると、本当に大切な顧客はつかなくなります。

裏切った結果なので当然とも言えますが。

 

すべてのセールを否定しているわけではない

もちろん、すべてのセールが同じだとは思っていません。

アパレルや家電のように商品が短いサイクルで入れ替わり、次の商品が前提として存在しているビジネスもあります。

しかし、それは「商品を終わらせて次へ進む」モデルです。

価格や価値、そして顧客との信頼関係を長期的に積み上げていく商売とは根本的に別物です。

 

たい焼きの話をしましょう

分かりやすい例として、たい焼きを考えてみます。

いつも200円で売っているたい焼きがあります。

味も、材料も、作り方も同じです。

そこに、突然「本日セール100円」と出す。

その瞬間、客の頭の中ではこうなります。

 

  • 100円で出せるのなら、200円は何だったのか?

  • 普段は高く売っていただけではないのか?

 

価格そのものではなく価格の理由が崩れます。

そして、また200円に戻したとします。

するとどうなるか。

 

  • また100円になるまで待とう

  • 今は買わなくていい

 

定価は「適正価格」ではなく損をする価格に変わります。

たい焼きのように、同じものを同じ価値で売り続ける商売において、セールは新規顧客の入口にはなりません。

定価で買わない理由を顧客に教えるだけです。

 

セールで知って、後から定価で買う」は成立するのか

よくある反論に、「最初はセールで知って、後から定価で買う人もいる」というものがあります。

これは、商品サイクルがある商売では成立します。

次の商品があり、次回は別のものを買う前提があるからです。

しかし、同じ商品を継続して売り続ける商売では、ほぼ成立しません。

一度セールを知った顧客は「また下がる」と学習します。

セールは入口ではなく待つ理由になります。

そして待ち続けて興味を失います。

人々が求めているのは値段以上に価値です。

安かろうが価値がないものに人は興味を持ちません。

 

セールは経営が苦しいというサイン

そもそも、セールをするということは経営が苦しいということです。

本当にうまくいっているなら安売りをする必要はありません。

例えば実力のある弁護士はそれだけで仕事が来ますが、もし安売りをしている弁護士を見たらどう思いますか?依頼しますか?

そんな弁護士信用できないですよね?安売りをするということは、それ以上に価値が無いというアピールとなります。

本来は、経営が厳しくてもそれを表に出さないものです。

それすらできない、なりふり構っていられない状況だということです。

安売りをしている事実が知られた時点で会社の信頼は確実に削られます。

 

経営者の言い訳について

「売上を作るためには何でもやらなければならない」

そういう声もあるでしょう。

私自身、小さいながらも15年以上事業を営んできました。

大変さは分かっているつもりです。

しかし、それは自分勝手な言い訳です。

経営がうまくいかなかった責任を、過去のファンや顧客に押し付けているだけです。

もっともらしく語っているだけで、実際には顧客を裏切る形でその場をしのごうとしているに過ぎません。

そして、一度セールをしたら、その商品がその価格で売れる理由は終わります。

つまり、企業の終わりです。

 

商売は、先に土を耕えるもの

売上が悪くなってから対策を打つのでは遅いのです。

売上がうまくいっているうちに次の取り組みを考え、土を耕しておく。

商売とは、本来それの繰り返しです。

この基本が現在は無くなっているなと感じました。

 

なおインフレ時に安売りをするということは、インフレが一服してデフレ方面に動く時が来た時に、さらに安売りを求められます。

上昇するものは必ず下がる時が来ます。

ただ将来的にインフレが収まることはないと考えますので、長い目で見るとチャートは右肩上がりになるでしょう。

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