– DSC106 Chair–
デザイナー:Giancarlo Piretti (ジャンカルロ・ピレッティ)
イタリアの工業デザイナー「ジャンカルロ・ピレッティ」が1965年にデザインをし、イタリアのANONIMA CASTELLI社より製造販売された「DSC106」シリーズは、成形合板とアルミニウムを組み合わせた当時としては画期的な椅子でした。
インダストリアルなデザインながらその構造自体が美しく感じる名作椅子です。
アルミと合板を組み合わせたイタリアンモダンデザイン
DSC106は成形合板をアルミニウムで繋ぐという当時としては珍しい手法でデザインされています。
背もたれと座面を分割したデザインで、そのサイドをアルミで繋ぐ構造はこの椅子が最初かもしれません。(底面で繋いでいます)
効果的にアルミを使っています。
スタッキング(積み重ね)も出来るのがポイントです。
このことから椅子を大量に使う場面を想定していることがわかります。
丈夫なので昔からオフィスや図書館、公共の場所で使用されていました。
合板そのままだけでなく、ファブリック仕様やビニールレザー仕様もラインナップされていました。
特に生地張り仕様はコントラクト向けで日本でも使われていました。
1960年代にアルミという新素材を使った斬新なデザインと解説がされていますが、アルミを使った椅子はこの年代の時点で新素材じゃありませんし、アルミを使った椅子はもっと以前から存在します。
この椅子は合板とアルミ、そしてスチールの組み合わせが他には無い珍しさで、そこが評価されており現在も名作椅子としてカウントされる要因になっています。
以前は国内のオフィス家具メーカー「オカムラ」がライセンス生産をしており、その影響からこの椅子はカステリチェアの名称で製造販売されていました。
いつ頃からかその製造は終了しましたが、2023年からまた国内で流通をしているのはアノニマカステッリ社本国仕様を輸入しているものです。
実は品番にSが付いているのはスモールサイズという意味です。
本国仕様はサイズが2種類あり、日本ではサイズの大きさ問題から小さいほうのSを輸入販売しています。
それでもオカムラ製造品よりサイズは大きいですが、許容範囲内の大きさですね。
どうしてもカステリチェア時代の記憶が強いのでこの椅子もオフィス向けの印象が強いですが、今回の発売により家庭用向けへイメージが変わるかもしれません。
なにせボビーワゴンももともとはオフィス向け家具でしたし、プリアチェアも家庭向けの印象はありませんでした。
けど今は違いますよね、ボビーもプリアも家庭で普通に使われるデザインです。
ちゃんとブランディングをすればオフィス以外からも求める人が増えるのでしょう。
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