滋賀県米原市の伊吹薬草の里文化センター内にある「Galleryかくとだに」にて「浜田工房1/5の世界」が7月29日(土)~8月19日(土)にて開催されています。
本業の家具職人の傍ら名作椅子の1/5の模型を作り始め40年の濱田由一 氏が作るミニチュア椅子が展示されており、そのクオリティはウェグナーも本物と認めるほどです。
本物と見紛う精巧すぎる1/5サイズの名作椅子
入場無料なのですがその展示数は300弱もあり充分すぎるほどです。
本来は入場料を取っても良いほどの充実具合です。
製作される1/5サイズの椅子は北欧のデザインを中心とし、濱田氏が作りたいデザインを次々に作り上げています。
年々作品は増えており今回の展示は過去最大の展示数となっています。
(ウェグナーの自宅を再現したミニチュア)
濱田氏はハンス・J・ウェグナーに実際に会い、自身が製作したミニチュアを見せたことがあります。
その際にウェグナーは「これは模型ではない」「これは本物だ」と発言をされており、ウェグナー自身がその精巧さに感心したそうです。
またフィン・ユールの奥さんに会った際にもこのミニチュアの出来栄えに感心しており、チーフテンチェアのミニチュアを濱田氏に6脚注文しています。
その6脚はフィン・ユールのコンテストのアワードとして受賞者に送られたそうです。
濱田氏のミニチュアはサイズを1/5にすることにこだわりを持ち、大きさだけでなくネジや糸すらも1/5サイズにしています。
こうしたミニチュアはサイズだけ小さくして、ネジは既製品を使うことが多くどうしてもネジ部分だけ大きくなることで違和感があります。
木目も大きくなることもミニチュアとして不十分なため、濱田氏はすべてのパーツを1/5サイズにするためネジ一つから自作をしています。
そこまで追求することで写真で見るとまるで本物のサイズに見えるほどの仕上がりとなっています。
椅子の構造自体もなるべく再現するようにしており、キャスターは回転しますしホイールも回転します。
椅子のデザインによってはとても制作に時間がかかり、上写真のコーア・クリントの椅子は糸の縫い合わせを1/5サイズにするとこの細かさになってします。
ミニチュアにする際に大抵こうしたデザインの目は粗くなるのですが、そうすると玩具のようになるためあくまで1/5サイズにすることを尊重しています。
そのためラタン素材の椅子はどれも製作に時間がかかります。
さらに金属のように見えるパーツは実際に金属を使うこともあり、素材の再現も入念です。
金属が使えない場合も塗装でいかに実物を再現できるかを工夫しています。
レザーを使用している椅子には実際に本革を使いますが、本革を使用することで嘘っぽく見えることもあるそうで、その場合はビニールレザーや塗装などで再現するそうです。
本革もそのままだと厚みがあるため、現在まで薄くして張っています。
ワイヤーも本物と同じく溶接しています。
よくある接着だとどうしても外れてしまうからです。
そこまでのことをしているからこそのミニチュアとは思えないほどのクオリティとなっています。
椅子の構造一つ一つを教えてくれていますので是非動画もご覧ください。
あまりにもよく出来ているこれらの椅子を一堂に見学できる珍しい機会です。
椅子好きなら訪れる価値は十二分にあります。
会場のGalleryかくとだには窓から伊吹山が望める非常に環境の良い場所です。
真夏でも米原は気温が高くないので自然を楽しみがてら訪れるとなお良いです。
– 浜田工房1/5の世界 – 開催概要
■日時
7月29日(土)~8月19日(土)9:00 ~17:00
※ 期間中の月曜日は休館日です。
■会場
Galleryかくとだに
※伊吹薬草の里文化センター内(滋賀県米原市)
■料金
入場無料
■出展者
浜田工房・濱田由一氏
HP https://joyibuki.info/portfolio/hamadakobo/
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