(https://www.eamesoffice.com/the-work/wire-chair/#)
ヴィンテージのイームズワイヤーチェアには取り外し可能なフルカバーが存在しました。
ワイヤーそのままの状態に座るとお尻や背中が痛いだけでなく素材が冷たいため、快適性のためにカバーを取り付けるということをしており、カタログにも普通に掲載されていました。
そんなワイヤーチェア用のフルカバーの生地を4色に分けた「ハーレクイン」という仕様が存在します。
(casa BRUTUS 2001年9月)
イームズワイヤーチェアのフルカバーは4枚に生地を分けて縫い合わせることで曲面に取付できるようにしています。
通常は単色でカバーを作るのですが、ハーレクインはその生地4枚を別々のカラーで縫い合わせて作ったものです。
少し派手で奇妙な見た目になるのが特徴です。
ハーレクインは1952年に発売され配色はアレキサンダー・ジラードによるものです。(レイ・イームズもらしいですけど)
製造販売はもちろんハーマンミラー社ですよ。
ハーレクイン(harlequin)は色彩や装飾に関しては”まだら”や”雑色の”という意味があります。
単純にカバーを4色に分けたことでハーレクインと名付けられたのかもしれませんが、色の組み合わせ的に”道化者”という意味でつけられた名称だと推測できます。
ハーレクインは”道化者”という意味があります。
ちょうどアレルッキーノ(アルルカン)の道化衣装の配色に似ていますからね。
当時のカタログにもハーレクインパッド(Harlequin Pads)は掲載されていましたので、好みの配色を選択することが出来ました。
ハーレクイン仕様のフルカバーは現在は生産されておらず、また、一度も復刻などはされていません。
そもそもイームズワイヤーチェアのフルカバー自体復刻されていませんし。
ヴィンテージ市場ではハーレクインのパッドは製造期間も短く珍しいので見つけたら貴重です。
なにせカバーは生地ですから古いものは状態も悪い物が多いからです。
イームズシェルチェアを張替えてハーレクインカラーを作ることは出来ますが、生地を4色用意しないといけないのでちょっと割高ですね。
しかも生地がけっこう余るという。
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