インテリアコーディネートには様々なジャンルがあります。
その中に「和モダン」というコーディネートが存在します。
「和モダン」とは、日本人に馴染みのある和のデザインと、モダンなデザインの双方を取り入れたコーディネートのことです。
ここで言う”モダン”とは”現代的な”という意味でもありますが、家具デザインの”モダン”というとモダンデザインですから”ミッドセンチュリー期”のデザインと和の物を合わせたコーディネートも「和モダン」と表現します。
私が思う和モダンの最上級がこの光景です。
昔case study shop※が提案した表現です。
※私のお店のことではありません。
和モダンの理想の光景
テーマは「西洋人が見た日本」です。
このコーディネート発表時にはこう説明していました。
「和+モダン」というと、人によって思い浮かべるイメージは異なるかもしれません。
ケーススタディショップでは、「西洋人が見た日本」という観点から、このリビングを表現してみました。ちょうど、イサム・ノグチやジョージ・ナカシマガが、アメリカにいながら日本を意識してデザインしたように・・・・
サンフランシスコから取り寄せたアンティークソファは、ロブスジョーンズ・ギビングスがデザインしたものです。ギビングスは、イームズやジョージ・ネルソン達が注目され始めた50年代に、同じくアメリカで活躍した、知る人ぞ知るデザイナー。高級メーカーのウィディコム社から、多くの家具を発表しました。日本びいきだったことで知られます。
アンティークのサイドボードはローズウッド製で、ウォールナットの濃い床材とも相性は抜群です。
小物づかいも重要なポイント。サイドボードの上のツゲの枝や、赤い陶器などが、落ち着いた色合いの部屋に絶妙なスパイスとなります。
相当レベルが高いコーディネートです。
和モダンでこれらの家具を組み合わせるのは家具デザインにかなり精通していないと思いつくこともない光景です。
なにせソファがロブス・ジョン・ギビングスのヴィンテージソファですからね。
これほどレアなソファを合わせるのも珍しいのですが、それよりも和モダンテーマでギビングスのソファを取り入れるのは非凡です。
でも確かにこの光景を見ると和モダンに合います。そこに茣蓙というのも50年代のイームズらしさもあり、”西洋人から見た”というのがわかります。
ノグチのAKARIとジョージ・ネルソンのバブルランプを並べるのも粋ですし、ダイニングテーブルはレフアのダイニングテーブルとダイニングチェアも和の物にも洋の物にも見えます。
フランスのスターベイの家具も合わせ、家具一つ一つを見ると国もデザインも年代も全く異なるのですが、不思議と統一感があり和モダンという表現に納得します。
ベッドルームはスターベイで揃えられています。
不思議と和モダンと言われてもなんとなくわかります。
和モダンの表現方法はさまざまですが、ここまでの上質さは他で見たことがありません。
マンションでここまで提案できるものなのですね。
和モダンの空間を作りたい方は参考にしてください。
でも家具がもうほとんど普通には用意できないばかりなので、このカラーで別の家具を合わせたら良いですよ。
私だったらこうするという提案もできます。ちゃんと現実的に用意できる家具で、これに匹敵するぐらいのインテリアコーディネートができますよ。
問題は予算ですけどね。最低数百万円です。
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