– Conoid Chair –
デザイナー:George Nakashima(ジョージ・ナカシマ)
コノイドチェア(Conoid Chair)は1959年にジョージ・ナカシマ(George Nakashima)がデザインしました。
カンティレバー構造を採用した絶妙なバランスを持つ名作椅子です。
ジョージ・ナカシマは20世紀を代表する日系アメリカ人の家具デザイナーの1人です。
木を愛し素材の美しさを限界まで生かす独特のデザインで世界中から高い評価を受けています。
コノイドチェアとは
コノイドは英語で”Conoid”と書き”円錐曲線”を意味します。
ですがコノイドチェアに円錐曲線の要素は見当たりません。
この名前は工房名から名づけられました。
ナカシマは米国・ペンシルバニア州ニューホープに屋根がシェル構造(これが円錐曲線のこと)になっているコノイドスタジオという工房を建てます。
そのスタジオのために製作したのがこの椅子です。
そのためコノイドチェアと名付けられています。
この脚の形状もカンティレバー構造(片持ち構造)と分類されます。
斜めに自立する不安定さを感じるデザインですが転倒することはありません。
座るとどっしり安定をしています。
このバランスこそがこの椅子の醍醐味であり、見た目にもまるで工芸のような佇まいです。
スポーク状の背もたれは抜けが良く、斜めに自立するこの椅子の不思議な軽やかさを損ないません。
背中の当たりも気にならないです。
ジョージ・ナカシマの作品は現在世界で米国・ニューホープにあるジョージナカシマウッドワーカーズ(George Nakashima Woodworkers)と、日本・香川にある桜製作所の2つの工房でしか製造されていません。
厳選されたアメリカンウォールナットを使い熟練の技術を持った他には無い世界でも最高峰の木工家具を作り出しています。
この記事の写真に写っているコノイドチェアは桜製作所に依頼して製造してもらったものですが、座面を特注して一枚板にしてもらいました。
通常コノイドチェアの座面は無垢材ではありますが継いで一枚にしたものです。
それを一枚板から削り出して座面にしたものを作ってもらいました。
値段は急激に上がりますが満足度は違います。
コノイドチェアにはコノイドラウンジ(上写真)というバリエーションも存在します。
コノイドラウンジは建築家の齋藤裕 氏(さいとう ゆたか)の建築のために作られたデザインだとwikiに書いてありました。本当かどうか私は知りません。
齋藤裕 氏という建築家は知っていまして、とにかく”すごい”としか形容できない建築家です。ぜひ調べてください。
彼に建築を依頼したお客さんがいるので以前お邪魔したことがあるのですが、もうとんでもない自宅でした。
話はそれましたがコノイドチェアはジョージ・ナカシマを代表する名作椅子の一つです。
アメリカンミッドセンチュリーモダンを代表する椅子でもあります。
ナカシマの作品はここから始めるのも良いでしょうね。
個人的にナカシマの家具は昔から大好きで、この世で最も優れた木工家具の一つだと思っています。
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