– Pistillino –
デザイナー:StudioTetrarch(スタジオテトラルチ)
「Pistillino(ピスティリーノ)」は1969年にイタリアのデザイン集団「Studio Tetrarch(スタジオテトラルチ)」によってデザインされました。
同集団は様々なクリエイティブな照明を作り上げており、ピスティリーノはムラーノグラスの雫状のシャンデリアを現代的な解釈で作り上げたものです。
その姿が植物の”めしべ”(イタリア語でPistillino)のようだったことで名付けられました。
イタリアンスペースエイジ期の名作照明です。
ピスティリーノとは
表面をクローム仕上げにしたプラスチックを素材に採用しており、その見た目の輝きはシャンデリアの存在感を豪華さを感じますが、デザインのある種のキッチュさによりラディカルな印象を受けます。
電球もトップ部分だけクローム塗装がされている特殊なものです。
これだけでオブジェとして通用します。
ピスティリーノの醍醐味はライト点灯時です。
放射状に延びる光が面白く、それ自体がデザインとなっています。
裏側には掛け時計のようなフック穴が空いているため壁にかけることもできます。
また天井工事をすれば天井照明として使うこともできます。
上から点灯をさせると本来のコンセプトであるシャンデリアを一番体験することが出来ます。
問題はライトの点灯スイッチが天井に行ってしまうことですが、その辺も含めて工事が必要です。
イタリアンモダンライティングの中で現代でも新品が製造販売されている少ない照明の一つです。
現在はイタリアの「SP LIGHT」社が正規品の製造をしています。
明かり目的より雰囲気重視の空間で活躍します。
ちなみに以前まで日本でもピスティリーノをもっと大きくして”めしべ”の数をいっぱい増やした「Pistillo(ピスティロ)」が流通していました。
今は販売されていません。
私はこのピスティロを販売していた時は勝手に『エノキちゃん』とニックネームを付けていました。
エノキっぽいですよね。
・・・こう呼んでいたのは私だけじゃないですよね?
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